建築家・堀紳一朗さんのブログ「住宅検査と耐震診断は違うの?」
住宅検査と耐震診断は違うの?
2015/07/21 更新
どちらも住宅の健康診断を思わせる言葉だし、内容も一緒なのではないかと思ってしまいそうですが、「住宅検査」と「耐震診断」は目的が違うため検査や診断の内容が異なります。健康診断ですから、どちらも基本的には新築よりも中古住宅で行われています。
住宅検査やホームインスペクションの通称で呼ばれているのは既存住宅状況調査のことで、今後のために建物の現状を把握したい場合に行われます。主に家を買うときに行われる調査で、住宅に精通した検査員(既存住宅状況検査技術者)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期などを見きわめ、アドバイスを行います。これにより住宅の購入前に建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。
耐震診断は既存の建築物の耐震性がどの程度あるのかを調べるもので、現在の耐震基準に比べてどの程度の耐震性があるのかを数値で確認するものです。主に家に住んでいるときに行われる調査で、自治体によっては耐震診断や耐震改修に助成金が出ることがあります。
耐震診断をすることにより建物が地震に対してどの程度耐えられるかが分かりますので、耐震改修が必要と判断していただければ、必要な個所に耐震補強をして建物の強度を高めることができます。