建築家・堀紳一朗さんのブログ「和風建築の見どころ「門・塀」」
和風建築の見どころ「門・塀」
2015/07/04 更新
門・塀 -内なる世界に思いを馳せる-
敷地の境界に設けられた門や塀はその内側を想像させる一種のシンボルです。道行く人は門や塀を見ることは出来ますが、塀越しに垣間見える庭や建築の全容を知ることはできません。訪れる人にとって門は最初の建物で、客を迎え入れる心構えのようなものを感じることができます。門とそこに掛けられた表札から、中にどのような建物があって、どのような人がいるのかを想像させてくれます。
門や塀は外部の施設であるためそのデザインは自然と調和するものであったり、さりげない迎え入れの表現をするものであったりするなど建築ほど主張するものではありません。内側の様子に思いを馳せてしまうような門、あるいは門の内外で絶妙なコントラストを見せてくれるような門が魅力的に感じさせます。