建築家・堀紳一朗さんのブログ一覧

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建築家・堀紳一朗さんの記事 14件中 1~14件を表示

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住宅検査やホームインスペクションの通称で呼ばれているのは既存住宅状況調査のことで、今後のために建物の現状を把握したい場合に行われます。 これまでは検査の方法やサービス提供の留意事項などは事業者や検査員ごとに様々でしたが、検査の重要性から、2013年6月に「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が国土交通省より示されたことによって検査方法が整理されました。また検査員の民間資格も様々で検査員の資格とは関係ない一級建築士を検査資格の...

「建物の状態に問題はないのだろうか」「建物のどこをメンテナンスすればよいのか判らない」中古住宅を購入しようとしたときにこのような不安を感じる方はたくさんいらっしゃいます。 住宅検査やホームインスペクションの通称で呼ばれているのは既存住宅状況調査のことで、今後のために建物の現状を把握したい場合に行われます。主に家を買うときに行われる調査で、住宅に精通した検査員(既存住宅状況検査技術者)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、...

耐震診断は既存の建築物の耐震性がどの程度あるのかを調べるもので、現在の耐震基準に比べてどの程度の耐震性があるのかを数値で確認するものです。 木造住宅の耐震診断の基準は、「木造住宅の耐震診断と補強方法」(財団法人日本建築防災協会)が広く利用され、「誰でもできるわが家の耐震診断」、「一般診断」、「精密診断」の3つの診断方法があります。 「誰でもできるわが家の耐震診断」でご自宅の耐震性能を理解したり耐震知識を深めたりすることができま...

どちらも住宅の健康診断を思わせる言葉だし、内容も一緒なのではないかと思ってしまいそうですが、「住宅検査」と「耐震診断」は目的が違うため検査や診断の内容が異なります。健康診断ですから、どちらも基本的には新築よりも中古住宅で行われています。 住宅検査やホームインスペクションの通称で呼ばれているのは既存住宅状況調査のことで、今後のために建物の現状を把握したい場合に行われます。主に家を買うときに行われる調査で、住宅に精通した検査員(既存...

私たちにとっての和風  -自由な和風へ- 椅子式の生活が当たり前となっている現代社会では和風住宅といえども畳敷きの部屋は一部屋あるかないかで、残りは椅子式の部屋というのが大抵です。和室に対して椅子式の部屋を洋室と呼ぶかといえばそうではなく、「居間」「食堂」「寝室」などと室名で呼んでいます。和風デザインの「居間」「食堂」「寝室」は座敷のデザインのように定石があるわけではありません。ふんだんに使った材木の香りが和風を感じさせたり、建...

座敷  -装飾されたおもてなし空間- 畳敷きの部屋を座敷といい、客間として使う座敷であれば床の間や違棚、付書院などが備わります。座敷では最も注目を集める床の間のデザインが重要になります。床の間と座敷のバランスで空間が成り立つと言っても過言ではありません。また次の間、入側、縁側、土庇などの座敷をとりまく空間が座敷の空間を豊かなものにしてくれます。座敷はいくつもの空間の組み合わせによって成り立っているのです。 座敷ではまず最初に柱...

廊下  -つなぎの空間- 廊下は移動のための通路ですから限られたスペースでは出来るだけ省きたいと思われる空間です。しかし廊下によって部屋を隔てる、距離をおくというのは薄い壁や建具で仕切られている和風の建築の中では物音や人の気配を遠ざけるのに有効です。狭苦しくなりがちな廊下には広がりと変化を与えるデザインが求められます。廊下の角度を変えて変化を与えたり、幅を少し広げてゆとりを持たせたり、中庭で視覚的な変化を与えたりします。 部屋...

軒・縁  -庭と対話する空間- 縁や入側、軒下といった内部空間と外部空間との間に位置する曖昧さを持った独特の空間が和風建築にはあります。 庭の風景や月見などを楽しむために設けられた縁は居住空間と庭などの外部空間の行き来を容易にしてくれます。入側といって縁と座敷の中間に位置する畳敷きのスペースは庭に面した大きな開口部と軒裏天井により外部がそのまま部屋に入り込んだようなデザインとなっています。縁には雨を防ぐための深い軒がかかります...

玄関  -出会いの場でのおもてなし- 気持ちを新たにする対面の場として、履物を脱ぎ内外の見切りをする場として、また内部の第一印象を決定する場として、玄関は重要な機能を果たします。玄関での行為に程よく対応する細やかなデザインへの配慮、機能が雑然とせず違和感がないようにうまく配する工夫が必要です。迎え入れる主人と客の視線が合うように土間と取次の高さが調節されていることや、接客に使われる場であるためのちょっとした飾りが設けられているこ...

屋根  -軽やかな起伏- 屋根は目立たないように、低く、軽く、自然な感じに表現されます。和風建築には雁行型といって飛雁の群れのように各部屋を斜めにずらしてつなげる構成の平面があります。すべての部屋で二面の採光を可能とするだけでなく、平面に従い幾重にも重なり合った屋根の形状が建築の外観デザインを複雑で美しくします。 用いられる屋根の形は切り妻が基本ですが、その屋根の端に庇が付け加えられることが多く、その重なり合いが多様な表現を見せ...

門・塀  -内なる世界に思いを馳せる- 敷地の境界に設けられた門や塀はその内側を想像させる一種のシンボルです。道行く人は門や塀を見ることは出来ますが、塀越しに垣間見える庭や建築の全容を知ることはできません。訪れる人にとって門は最初の建物で、客を迎え入れる心構えのようなものを感じることができます。門とそこに掛けられた表札から、中にどのような建物があって、どのような人がいるのかを想像させてくれます。 門や塀は外部の施設であるため...

アプローチ  -さりげない迎え入れの表現- 門を入ってまず目に入るアプローチの空間は、訪れる人に対する最初のおもてなしの心を感じさせます。訪れる人にとっては玄関で対面するまでの心の準備の場でもあります。 門をくぐった時に玄関が直接見えないように、門と玄関を結ぶアプローチは直線的にせず、周辺の庭の所々に見どころを配することによって客の視線を自然の中に回遊させ、気が付くと玄関の前に立っていると感じさせると魅力的な空間になります。効果...

「数寄屋」はどこか捉えどころのなさを感じてしまうのではないかと、先に触れましたが、和風建築デザインにとっておきの秘密や決まり事はあるのでしょうか? 和風建築は本質をとらえれば自由にデザインを展開できる一方で、バランスを崩さないようにする必要があります。「バランスを崩さないように」とは、また捉えどころの無い言い方ですがこれはデザインに際して絡み合う様々な要素である、空間構成だったり、材料の組み合わせだったり、寸法のバランスであったり...

例えばちょっと歴史に詳しい人が古建築を見たりしたときに、お社やお堂などの宗教建築は「数寄屋」ではないと判るけど、何が「数寄屋」かと問われればどこか捉えどころのなさを感じてしまうのではないでしょうか。 歴史学的にいうと中世には茶屋が「数寄屋」と呼ばれていたことがわかっています。その後、茶道の広まりとあわせて茶室を総称して「数寄屋」と名付け、茶室風のデザインを取り入れた住宅を「数寄屋造り」と呼んだり、書院造りという格式ある武家住宅の...

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