建築家・星名岳志 星名貴子さんのブログ「「白山の家」完成見学会のお知せ」
「白山の家」完成見学会のお知せ
2013/06/21 更新
こんにちは。
以前にも何度かご紹介している文京区白山の家が完成しました。
施主のKさんのご厚意で見学会の時間をいただくことができました。
6月22日(土) 10時〜16時 です。
私たち二人で対応させていただきますので、万が一の混雑を防止するため事前連絡をお願いいたします。
場所は都営三田線の白山駅から徒歩5分ほどのところです。
詳しい住所はご連絡をいただいたときにお伝えいたします。
ハンズデザインのホームページよりお問い合わせください。
さて、今回のポイントは…なんといっても「建築条件付きの宅地での新築住宅」であることです。
Kさんからの相談は土地の立地は気に入っているけど、指定の建築会社との間取りの打合せがうまく行かないとのことでした。そこで私たちはKさんのアドバイザーとして協力することになりました。
建築条件付きの宅地。戸建て住宅を検討されている方には耳慣れた単語ですよね。簡単に言うと建売住宅とは違って、建築業者は変更できないが、自分の自由なプランで家を建てられる建築条件付き宅地のことです。少し調べてみるとKさんと同じように悩まれている方はたくさんいらっしゃいます。私たちにとってもイレギュラーでしたが年間200棟を竣工するパワービルダーとの仕事は興味がありました。
建築条件付き宅地を検討されている方には参考になるのではないかな…と思います。
敷地は道路幅が4mに満たない角地でした。道路幅員のためのセットバックと隅切によって敷地は削られ、天空率による道路斜線制限の緩和もつかう、いわゆる都市型木造3階建狭小住宅の典型です。その上、変形しているため少し難しい敷地でした。
ビルトイン車庫のレイアウトと建物のボリュームを最大限に確保しつつ、建築条件設定の中で無理の無い配置を検討した結果、変形した敷地形状に合わせて1階2階をセットバックさせた形状になりました。
もう一つのポイントは階段の配置と形状です。2階のリビングダイニングとキッチンの間にスチール製の軽やかな階段を配置することで、階段の吹抜けを部屋に取込んで広がりを出し、3階からの採光を建物の中心に引込んでいます。また、ドーナッツ型のコンパクトなLDKに回遊する動線が生まれました。
仕上げはコストとのバランスをみながら3者で打ち合せて決定しました。私たちからは可能な限り自然素材をおすすめし、高千穂シラス、玉紙、レッドシダーパネリング、チェリー無垢フローリングなどが採用されています。
設計施工にあたった建築会社にとって、かなりイレギュラーで面倒な体制での仕事だったにもかかわらず、前向きにとらえ実現させようとする姿勢に感激しました。物件担当営業の方、現場監理の方、大工さん、本当にありがとうございました。
意外に思われるかもしれませんが、建築条件付き宅地の注文住宅は見学会やオープンハウスをあまりやりません。お施主さんがいますので当たり前ですがモデルルームもやりません。
貴重な機会ですのでぜひご活用ください。