建築家・柳沢伸也+柳沢陽子さんのブログ「学校エコ改修」
学校エコ改修
2013/02/14 更新
先日、エコ改修がなされた小学校を見学させていただきました。
これまでの校舎や体育館は、断熱材がほとんど施されておらず、夏は暑く冬は寒いのが当たり前とされてきました。
夏場の熱気のこもった教室、差し込む日射しのまぶしさ、冬場の寒い体育館等、皆さんのご記憶にもあるのではないかと思います。
学習環境としての快適さや省エネルギーの側面は、教育現場ではおざなりにされていたと言えるでしょう。
学校エコ改修とは、環境省や文科省が連携し、環境に配慮した学校をモデル的に整備している事業です。
学校によってその手法は様々なのですが、今回見学させていただいた小学校では、壁の外断熱化、教室サッシの複層化、階段室への引き戸設置、体育館へのOMソーラーの導入等を行っていました。
今回、特に体感してみたかったのが、体育館のOMソーラー効果です。
OMソーラーでは、軒下から取り入れた外気を太陽熱で温め、その温めた空気を床下に送っています。
外気温11度の寒い日でしたが、体育館の中に入った途端に寒さが和らぎました。室内温度計は14度と表示されていましたが、足下はもっと温かいため、体感温度はもう少し高く感じられます。
さすがに床暖房等ほどではありませんが、体を動かす体育館としては充分快適な温かさと感じました。半袖、短パンの子ども達も、体を縮こめることなくのびやかに動いています。
自然エネルギーを上手に活用し、CO2の排出を押さえつつ、人にも快適な環境をつくっていくことは、住宅に限らず、教育現場でも今後広げていくべきと改めて実感しました。