建築家・柳沢伸也+柳沢陽子さんのブログ「東京駅の保存と復原②」
東京駅の保存と復原②
2012/12/26 更新
東京駅創建時の八角形天井は、戦災によって消失してしまいました。
その後、復興工事によって、失われたドーム屋根に代わって木造八角形の屋根が架けられ、内部はローマのパンテオン風なデザインとなりました。
創建時のオリジナル天井が約30年、復興後のパンテオン風天井が約60年ですから、復興後の姿も東京駅の歴史の一部です。
今回の工事でオリジナル天井に復原されたわけですが、実はパンテオン風天井のデザインも、どこかに残されているのです。
それは・・・床です。
天井のパターンがそのまま床に転写され、復興を支えたデザインの面影を今に伝えています。
「戦災復興によって失われたドームの代わりに作られた木造八角形の屋根も、なかなか良いデザインでした。物資もなく時間も金もない時代に建設したドームを、なんとか残したくて・・・」
と、設計者の田原氏も語っていました。
華やかなドーム天井に目を奪われがちですが、そんな歴史が刻まれている足下の床パターンもぜひ見てみてください。