建築家・柳沢伸也+柳沢陽子さんのブログ「文化財ドクター」
文化財ドクター
2012/12/17 更新
先日、文化財ドクター派遣事業の講習会を受けてきました。
文化財ドクター派遣事業とは、東日本大震災で被災した歴史的建造物の復旧・復興を行う官民協同の事業です。
歴史的建造物の修復というと、伝統技術の原理・原則を継承するよう指導する傾向があります。
しかし講師の後藤治先生は、被災状況や経済的状況を考慮しつつ、柔軟に対処するべきだと話をされていて、まさにその通りと共感いたしました。
歴史的建造物の修復は、
①最小限の工事で
②次の修復がしやすい方法を
③最適な工法を用い
④センス良く
⑤現代要求される性能を満たしながら
⑥法的規制に準拠すること
が原則。しかし全てを守ることは難しく、専門家は実際に何を残し、何を捨てるかの取捨選択の判断を問われると。
過去の歴史を継承しつつ、付加価値を高め、現代の地域のニーズに合わせた修復・復旧を行う。
設計士としての使命を再認識しました。