建築家・安河内 健司 + 西岡 久実さんのブログ「古材の利用(つづき)」
古材の利用(つづき)
2012/11/10 更新
前回の記事で紹介した古屋取り壊し時に確保した
地松の古材(廊下に使われていた床材)のその後は?
いろいろな利用法を考えましたが、最終的には
古材との相性もいい「黒皮鉄」という鉄と組み合わせ、
小物や花器などを載せる台のような、小さな棚のような
シンプルな家具(‘hanadai’と命名)を制作しました。
黒皮とは、鋼材が作られる際に発生する鉄の表面を覆う
酸化皮膜のことで、塗装では得難い渋い黒さや艶など、
独特の質感が最大の魅力です。
この黒皮を覆ったままの鉄を使い、フレームを組み、
そこに、両端の割れた部分を落とす為にランダムな幅に
割いた古材を落とし込み、並べるだけで完成です。
これを複数制作し、以前その家に住まわれていた方々に
古い家の記憶として贈らせて頂きました。
皆さん、とても喜んで下さいました。
幅45cm、奥行20cm、高さ10cmと小さめの台なので、
和室の床の間に、土間床に、棚上に、窓辺に、、、
色々な場所に置く事が出来ます。
建築のような大きなモノを考えるのも好きですが、
こういうちっちゃなモノ達を考えるのも大好きです。
私たちにとっては、両者の違いは全くないのです。。。