建築家・中村弘道さんのブログ「住まいの設計の良し悪しとは」
住まいの設計の良し悪しとは
2021/03/02 更新
住宅などの設計で、外壁には20年経ってもクラック一つなく汚れもほとんど見当たらないような材料の選択、下地の始末など、細屋かな詳細、すまう人にとってはあまり気にせず住めることがとても大切で、よく考えられていなくてはなりません。機能的には満足しても日常の生活が豊かになるということはなく、光のグラデ―ションや太陽の差し込む影や四季によって変化する部屋の雰囲気などは生活を豊かにします。ただ窓をつけるのではなく、光の差し込み具合などを配慮し、市街地の中でも外部の風景を感じられる窓の切り方やその地の特性を感じられる仕掛けを取り入れて室内の変化を楽しめることが長く住む上でいつまでも飽きの来ない生活空間を手に入れる秘訣です。要は生活の舞台を演出することが必要です。
私の設計ではそれらが満足されて、とても感謝されておりますし、そうした観点で「上祖師谷の屋」(建築面積33㎡)では四季を感じ午前や午後の光の入り方、夜の月の光の差し込み具合、朝日の枕元への差し込み具合など、快適な状況を創り出しています。
そうした細かなことが設計の良し悪しになると考えています。