建築家・中村弘道さんのブログ「日頃感じること・・・・・」
日頃感じること・・・・・
2016/10/28 更新
現在の実情が、社会に貢献できるような建築を設計することがいかに難しい状況にあるか。住宅の設計も確かに街をつくりだし景観環境を形成する一助になるが、公共性のある建築を公募し、若い知恵を活用して、刺激のある街を起こしてゆくことの重要性を感じる中で、公募型のコンペが蔓延している。しかしこれに応募できる人は非常に限られており、民間の仕事をこなす建築家では、参加資格すら認められない条件を付けられているのがほとんどである。○○年以内に、同種の、○○㎡以上の建築を完成させたことのある人、などの条件が満たされないと応募すらできない。これから意欲をもって頑張ってゆこうとする自信のある建築家はそこで力を発揮できないことになる。これからの成長してゆく将来は希望の乏しいチャンスをつかみにくい環境にあり、埋もれてしまう。海外の公共性の高い建築はほとんど公開コンペであることを考えると、きわめて閉鎖的で、発展してゆく設計界のがんといっても過言でない。何とかしてこの枠を外す運動を起こさないと50年100年先まで続くと思われる。何とかしましょうよ・・・私もその一人であります。