建築家・中村弘道さんのブログ「「うちを建て替える」のは」
「うちを建て替える」のは
2013/01/09 更新
今この現状の建築家とクライアントは個々の要求に対応することはもちろん、クライアントさんが建築家に
声を掛けてくださったことを大変感謝していることと思う。しかしながら50年先の未来を見る感覚が大事で
今は正にその大切な時を迎えていると考える。「うちを建て替える」人達は建築家の存在を知らず大手資本
の住宅づくりの新聞のチラシを見たり、そこらの広告を見ながら、また建売屋のチラシをみて物件を何の抵
抗もなく金額の数字を見ながら考えるのでしょう。この決断は日本の伝統建築の素晴らしさとは別物と思っ
て判断してしまう。銀行の担当者がこれをサポートしているなどひどい現象だ。これが現代の街をつくって
しまっている流れである。政策的にはこうした現象には何の疑問も感じず、対応する意識はない。90%以
上の物件がそうした大手資本のものであり政策はそれをサポートすることはあるにしろ、美意識の欠如たる
規制は何もせずの今日の日本である。この美意識の欠如を憂うのみだ。都会の中での話かもしれないが。