建築家・石川淳さんのブログ「オークラ本館宿泊記・06」
オークラ本館宿泊記・06
2015/09/25 更新
1枚目は私。
梁下の高さは2.1mほどで、身長160センチの私が手を伸ばしてぎりぎり届かない位です。
天井が迫っていて、住宅的な身体スケールを感じ心地よいです。
明治村に保存移築されている帝国ホテルへ以前行った時ののロビー天井高さを思い出しました。
下階に立つと、高い天井高から開放的で、ここへ上がると天井を感じる落ち着いた隠れ家的なスペースとなっていました。
現代のホテルだったらなかなか出来ない寸法ですが、ソファーに座っていると丁度良く落ち着き、立った時には天井面の木ルーバーが遠くまで流れているのがしっかり見えて遠近感を強調し奥行きを感じます。
手摺り高さは860mm。高すぎず自然に手の掛かる高さです。何でも手摺りを1100にしなければならない現在とは違って、心地よい寸法です。
3枚目写真はロビーから宿泊エリアの廊下への通路です。階高が違うのをここで階段数段とスロープで調整しているようです。
天井高さは低めと高めを組み合わせるととても豊かな空間となりますが、住宅設計をしているとお施主様に「低すぎないですか?」と質問を受けることもあります。この写真のように頭上注意の場所も出来て来ます。しかし、これからは、「オークラのロビーがそうだったのですが、とっても良かったですよ」と写真も見せて、判りやすく説明できそうです。
身体寸法に近い数字とそれを大きく外した寸法を組み合わせると、とても心地よいことを改めて確認できました。