建築家・石川淳さんのブログ「オークラ本館宿泊記・03」
オークラ本館宿泊記・03
2015/09/14 更新
エントランスロビーに入るとその「暗さ」に驚きます。
ロビー暗めという事は以前から知っていましたが、演出としてこの暗さを維持した関係者の信念はすごいと思いました。
客のクレームや、作業性など、もっと明るくしろ、という声はいままで沢山あったはずです。
結果、普通の明るさに改修してしまうのがよくあるパターンでしょう。しかし、ここでは正面に見える自然光を生かす設計意図をキチンと53年守っています。
日本の現在の商業空間、住空間はあきらかに明るすぎて、そういう意味では3.11の後に東電管内で照明を少なくしていた事で暗めの空間がいかに落ち着いて、尚かつ、それによって光が演習されるかという事をやっと人々が学んだかもしれません。
さて、外は晴れの日でしたので、ロビー入室直後の印象は上の写真の暗さイメージで、目が慣れてくると真ん中の写真のイメージほどに明るく感じてきます。3枚目の写真はメザニンからエントランスを見返したところです。