建築家・藤田 敦子さんのブログ「Bois設計室の家づくり③_なぜ無垢材か」

Bois設計室の家づくり③_なぜ無垢材か

2023/03/15 更新

Bois設計室では、国産無垢材を使った家づくりに取り組んでいます。
どうして国産無垢材しか使わないと決めているのか、その理由をお話しします。

一般的に無垢材のデメリットとされていること
・しっかりした構造強度を確保するには乾燥に時間がかかる
・表面に割れが出やすい
・乾燥が不十分だと反りやカビ、虫害のリスクが高まる
・木材の特性をよく知らない大工さんには扱えない
これらは、産地と連携した品質管理や信頼できる工務店さんに工事を依頼することで解決できる問題であると考えています。
また、表面の割れは構造強度に影響が無いもので、自然素材ならではの事象であると捉えています。

一方で
国産無垢材のメリットとして
・一つとして同じもののない美しい木目や色味、木の香りの魅力
・薬剤や接着剤が使用されていないので安心できる
・輸入材に比べて輸送エネルギーを大幅に削減できる
・木材の特性を知り尽くした熟練の大工さんにしか扱えないので信頼できる施工者に家づくりを依頼できる
などが挙げられます。

Bois設計室では、永く和歌山県新宮市の熊野川流域木材協同組合さんと直接取引して適正な価格でかつ信頼できる品質の天然乾燥材か又は低温乾燥材を供給してもらっています。
熊野川流域木材協同組合さんは新宮市の大小の製材所さんが集まって作っている組合ですので、原料の丸太は長さや大きさの種類も豊富に確保されていて供給してもらうことが出来ます。通常市場に出回っている決まった寸法の柱や梁以外の材料も難なく対応してもらえるので、より設計の自由度が高まります。
良い産地との直接取引は価格や品質管理上のメリットだけではないのです。

また、和歌山の杉やヒノキは、色合いが美しくまた素直な木で構造強度にも優れているとされています。

『紀州材の特性』ー和歌山県HP 和歌山県森林・林業局林業振興課
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070600/kisyuzai/kisyuzai_tokusei.html

大切な家の肝である骨組みには、骨組みに適した木材を使いたいと思うのです。

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