- 大規模修繕の屋上防水工事とは
- 普段は目にする機会が少ないマンションの屋上ですが、屋上は建物の防水性能上、非常に重要な部分です。経年劣化や直射日光を浴び続けることで屋上の防水性能が低下すると、建物全体に漏水が発生する可能性もあり、補修工事を行わなければ深刻な被害につながります。ここでは、マンションの屋上防水工事についてご説明します。
工事の時期防水工法は2種類ある
マンションの屋上の防水工法には、大きく分けて2つの種類があります。1つは、「アスファルト露出防水」と呼ばれる工法。防水性の高いアスファルトルーフィングを複数層重ねて施工します。耐用年数は12〜15年と言われています。もう1つは防水層と谷根津材を重ねた「保護防水コンクリート」と呼ばれる工法。「本防水」とも呼ばれ、耐用年数は20〜25年と言われています。近年では断熱性能の高い本防水が多く用いられています。
工事の箇所寒暖差や風雨にさらされる屋上
普段の暮らしではあまり目にすることのないマンションの屋上ですが、常に雨や風、気温の変化などにさらされるため、経年劣化は避けられません。特に防水・耐水性が落ちてくると最上階への漏水や、建物を支える躯体のコンクリートへの大きなダメージへとつながるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。住民の利用や設備の置き場として利用を前提とした歩行型の陸屋根や、雨水が屋根に溜まらないよう勾配のある屋上など、いくつかのタイプがあります。
工事の種類近年の主流は「かぶせ工法」
屋上の改修工法には、既存の防水層をいったん全て撤去する「撤去工法」と、既存の防水層の上から新たな防水層を設ける工事を行う「かぶせ工法」の2種類があります。劣化状況などによってどちらを選ぶかを選択しますが、まだ耐用年数を超えておらず、劣化が極端にひどくない場合は、かぶせ工法を採用するケースが多くなっています。アスファルト露出防水の場合はアスファルトルーフィングを、本防水の場合は保護コンクリートの上からアスファルトシート+塗膜防水を施工してかぶせ防水とします。
劣化がひどい場合などは、撤去方法を採用することがありますが、かぶせ工法に比べて工事が複雑になり、コストがアップするほか、工期も長くなります。