建築家・ナイトウタカシさんのブログ「クローゼットの中に家具を造りつける!」
クローゼットの中に家具を造りつける!
2021/05/02 更新
ウォークインクローゼットっていうと。
どちらかというと、収納の延長戦にある印象で、
見た目というよりは、容量を重視する方が多いかもしれません。
ただ。
最近は、そうでもなくなってきたように感じます。
一枚目の画像のような感じで、きちんと整理整頓されて、
スッキリとした「見せる」クローゼットを求める方が増えています。
実は、こういったショップのような収納システムは、
昔からいろいろとあったんです。
でも。。。
こういった家具をつくりこむと、コストが相当高くなってしまうため、
候補に挙がっていても、最終的に、取りやめになることが多かったです。
でも。
このところ、よく話題に出てくるのは。。。
IKEAのPAXというワードローブシリーズでしょうか。
こちらはたまたま、コーナータイプですが、
もちろん、横並びのタイプもセレクトできますね。
ある一定の規格にはなっているのですが、
ハンガーパイプを取り付けたり、引き出しにしたり、
固定棚にしたり、割と自由度が高かったりします。
それなのに。
家具として、価格は、とんでもなく安かったりするんですよね。
組みあわせ方にもよりますが、下手すると、数万円からスタートですから。
実は、一枚目は、とある建材メーカーの家具なんですけど、
同じくらいの作りこみをすると、倍以上はしてしまいます。
このコスパもあって、ぜひ取り入れたいと思われるようです。
ただ。
PAXを導入するには、少し注意が必要です。
一つ目の注意点は、寸法の規格が海外仕様であること。
日本の木造の建物って、91cmを基準にしているので、
例えば、1m巾というと、あまり効率的に配置できないケースも。。
それと。奥行も、ある一定の規格があります。
例えば、よくあるウォークインクローゼットの幅が1.82mなんですが、
そこに、60cm奥行の家具を両側に入れると、通路が使えなくなります。
もし、IKEAのPAXを採用するのであれば、
その規格に合わせて、スペースを確保していくことが必要ですね。
それともう一点は。
精度です。
国内メーカーの製品は、日本人らしく、精度が結構高めです。
なので、あまり余裕がなくても、しっかりと設置できるのですが。。
IKEAは海外製ということもあって、その辺は若干アバウトです。
なので、ちょっとしたズレがあったりすると、入らなくなるかもしれません。
設置するスペースには、少し余裕を見ておきましょう。
そうそう。
ここまでは、クローゼットの中を、家具として造りこむという発想でしたが、
私個人的には、相当なこだわりがなければ、通常通りの、
枕棚+ハンガーパイプがいいと思っています。
家具とはいえ、しっかりとつくりこむことになりますので、
そこである程度、制約がでてしまいます。
三枚目のように、何もなくて、フリーですと、
コスパのよいチェストやプラスチックの引き出しケースを買ってきて、
置いておけば、量が増えてきたときに、簡単に増やしていけます。
家具ですと、そういった自由度がなくなってしまいますよね。
造り付けの家具って、スッキリして素敵なんですけど、
将来性を考えながら、採用を検討されるといいかなと思います。
IKEAの登場って、とても大きいです。
いいものは取り入れながら、自分らしい収納を構成してみてください。
愉しいですよ。