建築家・中村弘道さんのブログ「「失われた建築展」16」
「失われた建築展」16
2015/10/16 更新
静岡市に建つ天昌寺の増築工事である。厄除けの寺として禅宗の本堂など庫裏を含めて増改築する案の計画で、隣地も少し所有でき将来にかけて、整備しようとする檀家の要望で計画がすすめられた。寺のディグニテーを醸成するために切り妻和風建築ではコスト的に収まらず、屋根を禅宗での悟りの境地を示す「円」を屋根の形態とし傘のように覆い、全体の空間を統一しながらまとまりを生み出し、風格をつくりだすことを主眼とし、寺側は、旧態の寺院建築の切り妻ではないこの案を選択した。