建築家・中村弘道さんのブログ「「失われた建築」展 世田谷美術館-3」
「失われた建築」展 世田谷美術館-3
2015/04/13 更新
中軽井沢別邸-いろいろ試行錯誤の末
勾配のきつい敷地に一般的な屋根と柱の別邸をつくるのは、景観や敷地の持つ雰囲気を壊すことに繋がると考え、大地を矩形にキリコミ、ハガシ、メクリ、その隙間に樹林の中に存在する居場所を確保をする、解決策に至り、この案で進めるよう決心しました。めくれた大地は屋根となりここに立つと浅間山が遠望できます。楕円形の壁で囲われた静かな空間、ガラスで囲われた動の空間は対比的に屋根の下に挟まっている状態です。クライアントは一瞬わからず、とまどっていました。こうした発想は建築には必要なものだと感じます。