建築家・中村弘道さんのブログ「「失なわれた建築展」 中 村 弘 道」
「失なわれた建築展」 中 村 弘 道
2015/04/03 更新
春となり以前に世田谷美術館で、私の建築展を開催した時の模様を連載してみたいと思います。
世田谷美術館ではかつて建築に関する模型展らしきものはなかったそうで、この時が最初のようでした。
■ 失われた建築展 HIROMICHI NAKAMURA / Dream of Tomorrow
世田谷美術館 2006.5.9~5.14
あいさつ
建築家の熱い思いを込めて設計された建築が実現されずに、様々な条件で葬り去られ、「失われた建築」として存在します。それらは、実際には完成されませんでしたが、残像として模型に表現され残されました。
質の高い建築空間は、素晴らしく美しいものです。虚空から切り取られた空間は、独自の質をもって意味を持ちます。今の街の建築空間や環境が美しさを失っているなかで、建築は人と社会をつなぐ大切な空間です。また、実現して初めて意味性を発揮することになりますが、完成してはいませんが、建築家の
頭の中ではすでに完成に至っております。そしてその建築の中にはデザイナーの姿勢や考え方が内包され設計者の顔が見え隠れをしているはずです。これらの建築にスポットを当て、展開いたしました。
ご覧いただき、設計者のエッセンスを感じ採って、頂ければ幸いと思います。
これからも熱く建築をつくり続けてゆこうと思っております。
中村弘道・都市建築 計画設計研究所
中 村 弘 道