建築家・中村弘道さんのブログ「美しい緑の多い街並みはどこに行ってしまっ」
美しい緑の多い街並みはどこに行ってしまっ
2012/08/23 更新
美しい緑の多い街並みはどこに行ってしまったのか。
1980年代まではまだ都会の街並みには私有地の生け垣や庭木の茂りが住宅地の街並みにいくらかの落ち着きをもたらす作用をしていたが、世代が変わり、敷地は分割され何もないまったく殺伐としたコンクリートやモルタル、アルミの箱ばかりの街並みになってしまった。この暑い夏のさなか、住宅街を歩いてみると楽しさはない。海外の街並みにはどこに行こうがそれなりの楽しさがある。道路際の600mmは必ず緑地とする行政の指導要領を通達すれば、それだけでどんなにかその地区の街並みが改善するだろうと想像する。そうした日本の将来の財産となる工夫を積極的に考える意向は何もない。すべて機能と効率と経済性だけで判断するこの日本の現在を考えると、国際的に本当に汚い日本になってしまう。建築家として個の設計をする中で、私はそれらを常に意識し、個と全体をバランスよくデザインすることを何よりも尊重し、住まい手に納得してもらって気持ちの良い住まいを設計している。これは30坪の住宅でも15坪の住宅でもいえることだと思う。
1989年発行の「豊かさとはないか」睴峻淑子著などの日本の右肩上がりの時代の中のでの状況と何もこれらの点は進化しておらずむしろ退化してしているのではなかろうか。
ご参考までに興味のある方はお読みください。
日頃考えること。